(飯能の自然一植物・動物編担当調査員)横田稲吉
資料例 アカタテハ
平地から山地まで広く見られ五月頃から出現する。翅の地色は赤褐色で黒紋がある。
成体はアザミ類、アカトラノオ、ウツギ、シシウド等で吸蜜する。
幼虫はイラクサ、ヤブマオ、カナムグラ等を食草とする。
飯能市史(資料編Ⅱ)「飯能の自然─植物」はすでに刊行されていますが、この姉妹編として「飯能の自然─動物」が刊行される予定になっています。
さきに植物の部で述べたとおり、当市域は広範囲で、平坦部あり、山地あり、その標高差は最大およそ八○○米で一部地域を除き緑豊かで汚濁のない清流にも恵まれて植物種は豊富といえます。
そして動物はこれら植物を直接あるいは間接に、あるものは全生涯を通じ、あるものはその一時期に食物として摂るなど密接な関係があり従って動物の種類も個体数も多いことは当然といえるでしょうが、現在は個々体の形態または生態的特長を示す写真撮影を主に、可能な範囲で標本のしゅう集に取り組んでいます。
調査の対象動物としては、(1)ミミズ類(環形動物)(2)ナメクジ、カタツムリ類(軟体動物)(3)節足動物のエビ、カニ類(甲殼類)(4)チョウ、ハチ類(昆虫類)(5)クモ(くも類)(6)ムカデ、ヤスデ類(多足類)(7)オノカワ、ヤマメ類(魚類)(8)カエル、イモリ類(両棲類)(9)ヘビ、トカゲ類(は虫類)(10)ハト、ムタドリ類(鳥類)(11)ネズミ、タヌキ類(ほ乳類)等一応調査の対象としています。
動物は雌雄間、または活動の季節による体型、体色の異同があるばかりでなく、出現の季節、あるいは変態の各段階での形の変化などがあり、植物調査とは異なった複雑な面があります。資料に関する情報その他につき多くの方々のご協力を得たいと存じます。
なお、タモ類については嶋田順一氏が専門的に調査を続けております。
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