ここ飯能付近は、入間川が秩父山地から平野部に流れ出す谷口にあたり、長期間にわたる河川の浸食によって形成された河岸段丘がよく発達しています。このうち、北方の段丘は高く南には低い段丘があり、高いものから順に、下末吉段丘、武蔵野段丘、立川段丘を形成しています。
ここ、矢久橋のたもとから下流の河床に出ると、河床には砂利が少なく、白色の凝灰岩層が露出しています。この凝灰岩層は、加治丘陵をつくる飯能れき層の比較的下部にあたります。
凝灰岩をみると軽石粒があり、また黒い鉱物もみられます。ルーぺでこの形や色をよく観察してみると、細長い結晶で、角せん石であることがわかります。
なにげなく通りすぎていたこの川岸をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。