飯能百景 25

庚申塔(前ケ貫)

庚申塔は、庚申信仰の講中の人々が建てた供養塔で江戸時代に建立された庚申塔は各地に多く残っています。

庚申信仰はもともと中国の道教の教えからはじまったもので、「庚申の夜、人が寝ている間に、体の中に住んでいる三尸という虫が昇天して、人の犯した罪を上帝に告げるの人間は早死するといわれた。

そこで長生きを願うならば三尸に昇天の機会を与えないように庚申の夜寝ないでいようというのか守庚申の祭である」といわれています。

中国では、4世紀以前から行われてきたといわれていますが、日本で始められたのは平安時代といわれそのころは宮中や貴族の間で行われ、歌

合わせやすごろくなどに興じ一夜を楽しくすごしていました。室町時代になると民間でも行われるようになり、方法も仏教的なものに変わりました。

この地方には庚申供養塔が多く安永年間(1772〜1870)代にに信仰が盛んで4基、その後も多年の間に十数基造立されています。これらの塔には、「庚申」と文字で刻まれているものと庚申の本尊とされていた「青面金剛」像が刻まれているものがあります。この地方では像を刻んだものが多くあります。

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