このかたくりといかりそうの群落は、南高麗地区の岩渕地内にあります。県道富岡・入間線に沿う高さ約百20㍍丘陵地の北斜面の岩崎氏所有の栗林の中に広さ20㌃におよぷ範囲に混生共存しています。昭和48年7月1日市の天然記念物に指定されています。
かたくりは、ユリ科に属し、地下の深いところに栄養を貯えた地下茎をもち、細長い茎を一本伸ばして、地表近くから長い葉柄をもった緑色で紫の斑紋のある大きな葉を対生するもので、4月のはじめごろ茎の先に6枚の花弁をもつ桃紫色の美しい花を一個つける。万葉植物の一つでもある。
いかりそうは、かたい根茎をもち、ここから多くのひげ根と数本の茎を出すが.各茎の先が3本に分かれ、それぞれの先に3枚の小葉をつけた葉を生ずるので、三枝九葉草の名が生まれた。4月から5月にかけて、船のいかりによく似た花をつけるのでこの名がつけられたという。
この2種の花が春たけなわのころ、美を競って咲き誇るさまはまことに見事なものである。と群落自生地の前の説明板にあります。
この花の美しさを自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。